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予備試験司法試験界ではいわゆる論証集というものが多数存在します。そして論証集に対する賛否は分かれているものの、多かれ少なかれ程度の差こそあるものの受験者の多くが利用しています。
自作も考えたのですが、その時間を演習に使いたいと思い既存の論証集を使用することにしました。今回はアガルートの予備試験司法試験講座の1つ『論証集の使い方』という教材および講義の受講した感想をご紹介します。
記憶対象を絞る
まず自分のスペック的に他の優秀な受験者と比べて記憶容量が少ないと自覚しています。宅建や行政書士試験でも感じたのですが、覚える事項があまりに多くて最初はかなり面食らってしまいました。
そこで暗記が苦手な自分が取った戦略は記憶対象の選択と集中です。多くの教材を実際に書店で確認したり合格者のブログや書評レビュー参考にし予めかなり調べ尽くした結果、この教材なら信頼できるというものを選択し後はひたすら繰り返すという戦略です。
どうしても気になる教材はあくまで補助的に使用し、基本的には最初に選択した教材をやりきります。そもそも記憶が苦手なのに手を広げるなんてとてもできません。他の教材に浮気したくなる気持ちも分かりますが、網羅性のある一冊を繰り返した方が力がつくと過去の試験から体感しているからです。
そして予備試験で覚えるべき論証集として僕が選択したのがアガルートの『論証集の使い方』という教材と音声講義です。とにかく論証部分に関してはこの教材と講義でやりきることを決めました。網羅性と記載事項の正確性が信頼できると感じたからです。
なぜなら合格者の方が信頼できると言っていたこともありますが、実際に使用してみて各論証の横に小さく参考判例が記載されており判例ベースで作成された論証だと分かるからです。そして予備試験や司法試験は自分の好き勝手な考えを書けば合格できる試験ではなく判例ベースの法曹として必要な論理的思考力を問う試験だと思うからです。
判例ベースで論証が作成されているので信頼できると感じた
落とせないキーワードや点が入る書き方
自分は講義付きの論証集の使い方という講座を購入したのですが、どうやら『工藤北斗の合格論証集』として教材のみ市販されているみたいです。同一人物による『論証集の使い方』と『工藤北斗の合格論証集』があり、まぎらわしいですよねw。内容も類似性が高く、市販教材の方が講義がないぶん圧倒的に安いです。
ただいくつかの点でアガルートユーザーの方はやっぱり高いお金を払ってでも講座を取る価値は充分にあると思っています。
なお重要問題習得講座や論証集も含めた予備試験合格に必要な全部入りパックカリキュラムのレビュー記事はこちらです
まず論証といっても基本7科目だけでもかなりの数があります。これまで自分が経験した試験の比ではありません。基本的にマイナス発言はしないように生きてきたのですが、初めて見たときは「あー‥これは無理かも…世界が違う‥」と正直な声が思わず出ました。
マーク式と違い論文は書けなきゃ点数になりません。マーク式のようにまぐれで正解することはないのです。
そんな諦め感を抱きながら、一応他の使用者の感想や体験講義を聴いてみるとちょっと希望の光が見えました。
工藤先生が『論証集の使い方』の講義内で、これだけは落としてはダメというキーワードや、ここをこれだけ書けば点数が入るなど明確な指示が的確になされていました。
たしかに膨大な量ではありますが大事なポイントやキーワードを用いて自分の言葉で説明するならばなんとかできるのではないかと思ったからです。そもそもあの量の論証を丸暗記するなんてよっぽど記憶が得意な人じゃなきゃ無理な話ですよねw。
もしこれが市販の工藤北斗の論証を使用していたら論証のどの部分が大事なのか、どれが必要不可欠なキーワードなのがまったく分かりませんでした。地図がないまま広いジャングルを彷徨うような感覚になっていたと陥っていたと思います。
論証集の使い方講義で外せないキーワード等実践的な知識の定着ができる
7科目揃っている
市販の工藤北斗の論証集には憲法と行政法がありせん。なんで基本科目なのにないの!?と驚きました。(この記事を書いている段階では市販の論証集はありませんが、今後発売されるかもしれません)
これは工藤先生曰く講義で説明しなければ誤解が生じる可能性があるため活字のみである論証集のみを市販で売ることはないようです。
ちなみに憲法の『論証集の使い方』は重要判例の判旨がコンパクトにまとまっており、答案で使える判例フレーズが記載されています。行政法は覚えることは少ないようですが、原告適格や処分性などの必須暗記事項及び答案を書く時に検討する順序や判断基準などの指針が示されています。
隙間時間に学習できる
論証集の使い方の講義は論証のキーワードやポイントをわかりやすく伝えるという内容であり黒板などを使いません。なので映像講義を敢えて視聴する必要がありません。僕は音声講義をダウンロードし、ウォークマンやiPhoneに入れました。そして普段のちょっとした隙間時間に常に聴いて学習しています。
寝る時間も聴きながら眠りについています。ずーっと聴いているためキーワードやポイントはもちろんのこと工藤先生が講義中にちょっと口が悪くなる等の重要ではない細かな部分まで鮮明に覚えてしまっていますw。もちろんアーティスト名は工藤北斗です、はい。最近よく聴くアーティストは工藤北斗です。
この勉強方法は取り掛かるのに心理的ハードルがまったくないので、とてもオススメです。僕は問題演習する時ちょっとどこがで心理的に構えてしまいます。しかしこの勉強法は普段気軽に音楽を聴くのと同じように行動し、アーティスト選択を工藤北斗にするだけなので気軽にできます!疲れてクタクタなときでも負荷が軽いので、すぐにインプットができます。
合格者のブログでロースクールの登下校時ずっと論証集の使い方の講義を聴き、論証がスラスラと出てくる状態にまで持っていったとの記載を目にし自分も始めました。自分もそんな状態になるのが目標です。市販の工藤北斗の論証集では音声講義がないので、このような勉強法が取れません。そういう面でも講座を取る意味はあったと思います。
他の教材との相性抜群
冒頭でアガルートユーザーにとっては論証集の使い方は受講する価値があると言いました。その理由は論証集に論点ごとにアガルートの他の教材のページ数が書かれているからです。これは調べる時と問題演習をするときに大変助かります。
通常分からないことがあったらで索引から毎回調べてテキストを確認しなければいけませんが、アガルートの教材はその必要がありません。なにか分からないことがあっても簡単に教材間を相互に行き来できるのです。
そして『論証集の使い方』で学習した箇所をピンポイントで即問題演習に移行できます。せっかく論証を覚えてもどの問題のどの場面でどんな風に使用するのか分からなければ意味がありません。論証自体はあくまで点を取るための手段なのです。なので論証だけでなく使用する場面を把握していることはとても重要です。アガルートの教材同士ならすぐにそれらが可能となっています。
勉強への不安が少しでもある方がアガルートに無料個別相談を利用しましょう。プロ講師が親切丁寧に不安解消してくれます
論証という考え方への批判
論証など不要!と論証を批判的に捉える人がいるのも事実です。ただ使い方さえ間違えなければ問題ないと思います。講義中に工藤先生も仰っているのですが、問題文からして当たり前に成立が認められるにも関わらず不必要に論証を大展開するなどの誤った論証の使用方法が原因ではないかと思います。
無意味に論証パターン貼り付けるのではなく条文の要件を充足させていく過程で争点となる時に適切な論証を用いればむしろ有効だと思います。
『論証集の使い方』には頻出論点に関して長文バージョンと短文バージョンが論証が記載されており、状況に応じて臨機応変できるよう一定の配慮がなされた教材になっています。論証の有効性については、ほとんど合格者の受け売りなので、今はとにかく目の前の勉強に集中します。適切に論証を使用できるように頑張ります。
まとめ
・アガルートの論証は判例ベースであり網羅性と正確性に信頼がおける
・『論証集の使い方』と講義の組み合わせで答案で書くべきキーワード及び点の入る箇所が身につく
・音声講義でいつでも気軽に学習できる
・覚えた論証を用いた演習に即移行できる
・短文バージョンと長文バージョンが用意されており、多論点型の場合は前者を用いてそうでない場合は後者を用いるという使い分けにも対応
いかがでしたでしょうか。論文の取っ掛かりとして論証学習は効果的です。ただ初学者にとっては何が重要なのか右も左も分からないため講義でそれらが的確に指定されることはかなり勉強効率をアップさせてくれます。今後も隙間時間に論証講義を聴き続け、適切な箇所でスラスラと書けるような状態にまでレベルを上げていきます。