偉そうなタイトルですが行政書士試験のメインである択一対策でなかなか点が取れない人に注意すべきポイントをご紹介します。
過去問はボロボロになるまでやっているにも関わらず結果が出ないという方はこの記事を参考にして原因を追究し改善して頂けたら幸いです。
アウトプット至上主義の自分もとにかく問題演習を繰り返して点数が安定して取れるようになったので、過去問演習をしても点数が取れないと言われると正直どんなアドバイスをして良いのかわかりませんでした。ただ詳しく勉強方法を聞いてみるといくつか原因が見つかったのでご紹介します。
問題丸暗記は落ちる
問題演習をするときは、各選択肢の正誤判定において理由付きで答えていますか?なんとなく正解とかなんとなく誤りなどの中途半端な問題演習をしていませんか?
過去問は何度もやっているのに合格できなくてもう何をすればいいのかわからないという方がいました。とても真面目で勉強時間もそれなりに確保できており、こんなに努力しているのだから結果が出るべきだと素直に思いました。たしかにその方は演習メインの勉強方法で全科目偏りがないように勉強していました。過去問集もいかにも使い込まれた感があり勉強してきたことが分かります。ただよくよく聞いてみると答えを丸暗記していることが分かりました。
どういうことかというと問題演習の過程で4択ある選択肢を視覚的な位置関係で正解を覚えていたり、正解の問題文自体を暗記し正誤を判定していたのです。
つまり正解を選ぶときに条文や判例を根拠としていなかったのです。自分も学習初期段階は同じような問題演習方法をしていたのでよくわかります。問題文を暗記してしまえば考えなくて良いからです。
よく過去問演習が重要だと合格者が言うので漫然と過去問をそのまま覚えてしまうのです。ただこの演習方法は正直とても危ういです。
たしかに問題文をそのまま暗記することはなにも考えなくても良い上に、その年度の過去問に限っては高得点を出すことができるようなります。過去問で高得点を取ることは一時的には自分を満足させてくれるかもしれません。
しかし行政書士試験受験生が勉強する目的は本試験で合格することであり、過去問で高得点を取ることではありません。なので問題文を丸暗記することは得策ではありません。
問題文そのものを暗記しても一言一句同じ問題が出題される可能性が極めて少ない試験である以上、問題文が変わったり違う角度から問われた時点でもうお手上げになるからです。そのため普段の学習では個数問題でも組み合わせを選ぶ問題でもすべての選択肢の正誤を理由付き(条文や判例)で検討してください。
短時間で正解しなければならないため、暗記は必須です。ただその記憶対象を問題文ではなく正誤判定の理由となる条文や判例にすべきです。
すべての問題は条文や判例を軸に作成されるので、それらを暗記していればどんな問題の問われ方をされても平気です。いますぐ暗記対象を問題文自体ではなく、正誤判定の理由となる条文や判例に移行しましょう!なんとなく選択肢を選ぶ問題演習は今すぐやめ、理由付きで答える問題演習をしましょう。同じ勉強時間でも意識の差でまったく異なる成果が出るため、普段から問題文を暗記するのではなく条文や判例を意識した理由付けをした勉強をしましょう。
知ってるか知らないか!
行政書士試験の突破において、まず全問を時間内に解き終えなければなりません。
記述式を書くのに1問10分要するとした場合、計30分(3問×10分)は必要となります。その場合マーク式に割ける時間は2.5時間ということになります。
ということは1問に割ける時間は2~3分であり、選択肢は4~5肢であるため1つの選択肢に割ける時間は約30秒となります。
問題文を読む→正誤判定というプロセスを30秒で行わなければなりません。うーん・・・と考え込んでいる暇なんてまったくありません。知っているか知らないかを反射するかのごとく答えなければなりません。
知らない問題は知らないのだからいくら考えても答えは出てくるはずがありません。潔く飛ばすのも立派な戦略です。よく考えれば正解できるかもしれませんが、他の設問に悪影響が出るようでは試験対策としては不適切です。
これらの事情を考えると本番までには問題文を見た瞬間に正誤判定が下せる状態にならなければならないのです。考えれば分かる!では遅いのです。試験範囲を全部覚えようとすれば記憶対象は無限に広がってしまいます。
なので今みなさんが納得して使っている過去問集や問題集に記憶対象を絞り、試験本番までには少なくとも使用している教材の全選択肢だけは正誤判定が理由付き(条文や判例)で反射的にできるようになりましょう。
何度も何度も繰り返す過程で時には心が折れることもあるかもしれませんが、めげずに繰り返すことでいつの間にか合格水準を上回っている状態になります。自分がまさにそうでした。
ちなみにこの反射的に問題を解く力はテキストを読んだり講義を受講するといったインプットでは身に付かないので普段の問題演習によって鍛える必要があります。一定数に問題演習によって解答スピードは上がるので、現段階でスピードが遅い人も心配する必要はありません。
試験委員の意図
六法を用いて勉強していますか?六法を引いていますか?
問題演習の際、該当条文をその都度六法で引いていますか?めんどくさいからってサボっていませんか?僕も学習当初は面倒なので六法を引いていませんでした。
ただ問題演習をしていく過程で、条文の重要性に気付き毎回引くようになりました。この六法を引くという動作を省いてしまうと、条文の重要性に対する意識が薄くなりがちです。さらに六法を引くという面倒だと思われる動作を途中で挟むことにより記憶する上での刺激になり、条文が頭に残りやすくなります。
これまで何度も問題をなんとなく解くのではなく理由付けで解くことの重要性を強調してきました。理由付けとなるのは条文や判例となります。
そもそも行政書士試験において試験委員が求めていることは、その受験者が行政書士として必要とされる一定の水準である法律の条文知識や判例知識を正確に有しているかどうかです。一般知識を除いてすべての問題は条文や判例から作られています。
つまり大事なことは問題自体を暗記しているかどうかではなく条文や判例を理解しているかどうかです。これらの試験委員の意図からすれば六法がどれだけ重要か分かると思います。何度も同じ条文を六法で引くとさすがに覚えることができますし、毎年出題されるような重要条文が何条なのかまで把握できます。必ず六法を用いた勉強しましょう。六法を横に置かずに勉強している自分を発見したら直ちに近くに六法を置きましょう。
まとめ
・なんとなく誤りなどの曖昧な正誤判定はすぐやめよう
・すべての選択肢を理由付けで答えれるように演習しよう
・条文や判例を常に意識
・六法はめんどくさがらずにその都度引こう!引いた数だけパワーアップ
普段の勉強で上記ポイントを意識して学習すればずっと学習効果が上がります。すべてのポイントが当てはまっていなかったという方でも普段の学習で意識するかどうかで学習効率がかなり変わってくるので生かせるところは生かしてみてください。勉強はすぐには結果が出づらいですが、コツコツ継続すれば安定して点数が取れる日が必ずきます。応援しています。